また明日。

「また明日」

別れ際にそう声をかけられた。

ボクも彼も、毎日そこに通っているわけではなく、偶然に朝出会えれば、駅から職場までの道のりの中で話をしていた。

しかし、彼が病気を患って、一年間ほど、彼には会えなかった。

彼は仕事を辞めてしまったのだろうか。病状が悪くなっているのだろうか。

全くわからなかった。

 

ある月のある朝、駅から職場まで歩く彼の姿を見つけた。

酸素を常時吸入するための器具を引っ張りながら、ゆっくりと歩いている。

彼が職場に向かっている姿が嬉しかった。

「おはようございます」

「おはよう」

彼は話すのも苦しそうだったが、彼に歩調を合わせゆっくりと職場に向かいながら、話をした。彼の手術が無事に終わってよかった。職場復帰されてよかった。

その後も、月を追って体調が良くなっていく彼に会った。

 

その後も、彼とは会えたり会えなかったりで、月に1、2回話をする。彼とはいろんな話をしている。共有する思い出が沢山あるのだ。

そして昨日、彼は別れ際に

「また明日」

そういった。

はじめて、次に会う時の約束をした。そう、明日と。

 

そして明日である今日。

 

駅を降りたボクは

職場まで続く道に彼をみつけることができなかった。

ことば (1) 「引き継ぐ」と「申し送る」

先日、ある人から「申し送り事項は○○です」とか「○○の引き継ぎをお願いします」とか言われた。
 私は「申し送り」と「引き継ぎ」がよく分かっていないようなので調べて見る。これらはどちらも名詞なのだけれども、動詞はどのような意味なのかな。


「申し送る」と「引き継ぐ」のこれらの言葉は、自分と相手との事柄のやりとりに使われる動詞。
小学館 新選国語辞典 第6版によれば


「申し送る」ー ①先方へ伝える ②引き継ぎ事務などを次の人に言い伝える(名詞 申し送り)
「引き継ぐ」ー その後を受け継ぐ(名詞 引き継ぎ)


つまり
・申し送るは、"本人"が相手に物事を伝える
・引き継ぐは、"本人"が相手から物事を受ける

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ほほう。そうか。すっきりした。

iPhone4S→iPhoneSEへ、我が家にwi-fiルータ導入へ

今年5月上旬のGW。ついにiPhone4Sを手放すことにした。4Sは2011年から使っていたので、今年7年目の春を迎えたところ。私なりに4Sを最大限に活用してやってきたのだが、そろそろこの状態では不便なことが増えてきた…

【3G回線のiPhone4Sの使用状況】

・充電は半日と持たない。
・OS10にしてから、動作が一段と遅くなり、文字入力までに十数秒待つ←OS10しなければ良かったと後悔していたところ。
・「Safari」は時間切れによるリロードが当たり前。画像などのアップデートが途中で停止。←「Files」アプリでは、時間切れによるリロードが起こらなかったので、「Safari」の設定がそうさせているようなのだが、設定変更に及んでおらず。
・キャリアによる3G回線の速度制限がかかっていて、webからの情報を入手するに時間がかかる。夜間にはアクセスが全くできなくなっていた。

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【塩こうじ】を作っていて思ったこと

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日本の食生活に欠かせない味噌、醤油、酒。これらの製造に欠かせないのがコウジカビです。
 コウジカビはアスペルギルス (Aspergillus) 属のカビの一つで、紅麹菌、黒麹菌などはコウジカビの品種です。写真左のボールの中でお米に繁殖している白くふわっとしたものがコウジカビ。これは、スーパーなどで「こうじ」として売られているものです。この「こうじ」のコウジカビは黄麹菌で、黒麹菌から派生した白色変異種だと言われています(高橋 2013)。

 この「こうじ」を使って、発酵調味料の「塩こうじ」をつくります。 
塩こうじでは、麹の重さの1/3程度の塩量と麹がかぶる程度の水を用いて作るため、コウジカビは高塩濃度環境に置かれています。このような高塩濃度では高い浸透圧のため、微生物は普通は繁殖できません(好井 1967、潮見井 2016)。
 仕込んだ塩こうじをみていると、日を追うごとに米粒が徐々に壊れていくのが観察されます。分解が起こっているのですね。この米の分解は、コウジカビが持つ酵素によって「糖化」が進んでいるのです。約一週間後の瓶の中では(写真下)、上部層には分解の進んだ米粒が、瓶の底の方には十分に分解の進んでいない米が沈殿し、分離がみられました。f:id:bmiko:20170721094351j:plain
 瓶の上部層には気泡がみられ、発酵が起こっています。この気泡は、酵母がコウジカビの酵素によって作られた糖を利用して、アルコール発酵をした過程で生じた二酸化炭素のようです。

 酵母の中には高塩濃度による高い浸透圧条件下でも、浸透圧調節を行うことができるものがいます(潮見井 2016)。この瓶で発酵している酵母高塩濃度下でも繁殖できる酵母なんですね。そういった酵母などの微生物によって、味噌や醤油も作られています(東京農業大学 2013)。

 微生物によってうまれたさまざまな調味料は、その調味料が持つ酵素で食材を分解して食べやすくしたり、旨み成分によって食材に風味を与えてくれます。食生活を豊かにしてくれているのですね。

 ちなみに、この写真の状態で瓶のなかの匂いを嗅ぐとバナナのような香りがしています。これでほぼ完成。発酵がこれ以上進まないように冷蔵庫にいれて保存し、料理に利用します。

【塩こうじの作り方】
■材料

・麹 300g
・塩 100g
・水 かぶるくらい

■作り方 ①麹を良くほぐし、塩を振って良くすり混ぜる。
②滅菌した瓶に①を入れて、麹がかぶるくらい水を加える。
③栓は緩めて置いて、常温で2週間ほど保存。毎日、かき混ぜる。
④お米の粒が少し不明瞭になって、バナナのような香りがしてきたら、できあがり。
冬場で2週間ほど、夏場だと1週間ほどでできあがります。
できあがったら、発酵を遅らせるために冷蔵庫で保存します。


【引用】
潮見井純(2016)微生物と浸透圧ストレス. 食品工業技術センター ニュース. あいち産業科学技術総合センター食品工業技術センター. 2-3. http://www.aichi-inst.jp/shokuhin/other/up_docs/news1601-2.pdf
高橋治男(2013) クロコウジカビAspergillus nigerとその近縁菌、黒麹菌の安全性について. 一般財団法人 食品分析開発センター http://www.mac.or.jp/mail/130601/02.shtml
東京農業大学 (2013)『醸造のふしぎ』-微生物が醸す世界-. 【食と農」の博物館 展示案内No.58-(2) http://www.nodai.ac.jp/syokutonou/exhibition/58/58_02.pdf
好井久雄(1967)食塩と微生物(1)高塩細菌の特性について. 62: 43-49. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/62/1/62_1_43/_pdf

とうもろこしの実の色の変異

お店のエントランスに飾られたトウモロコシの飾り。
このようなトウモロコシの実の色の変異を見るたびに、バーバラ・マクリントック(Barbara McClintock 1902-1992)のことを思い出します。バーバラは、トウモロコシの種子の色の違いの現れ方から、遺伝因子が染色体上を移動し、挿入される現象を発見した研究者。この染色体上を動く遺伝因子は「トランスポゾン」と呼ばれ、この存在の発見は、その後の遺伝子の機能解析の研究を飛躍的に進ませました。バーバラはその業績によって、ノーベル生理学・医学賞1893年に受賞しています。

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