また明日。

「また明日」

別れ際にそう声をかけられた。

ボクも彼も、毎日そこに通っているわけではなく、偶然に朝出会えれば、駅から職場までの道のりの中で話をしていた。

しかし、彼が病気を患って、一年間ほど、彼には会えなかった。

彼は仕事を辞めてしまったのだろうか。病状が悪くなっているのだろうか。

全くわからなかった。

 

ある月のある朝、駅から職場まで歩く彼の姿を見つけた。

酸素を常時吸入するための器具を引っ張りながら、ゆっくりと歩いている。

彼が職場に向かっている姿が嬉しかった。

「おはようございます」

「おはよう」

彼は話すのも苦しそうだったが、彼に歩調を合わせゆっくりと職場に向かいながら、話をした。彼の手術が無事に終わってよかった。職場復帰されてよかった。

その後も、月を追って体調が良くなっていく彼に会った。

 

その後も、彼とは会えたり会えなかったりで、月に1、2回話をする。彼とはいろんな話をしている。共有する思い出が沢山あるのだ。

そして昨日、彼は別れ際に

「また明日」

そういった。

はじめて、次に会う時の約束をした。そう、明日と。

 

そして明日である今日。

 

駅を降りたボクは

職場まで続く道に彼をみつけることができなかった。